仰々しいフランス料理のコースでなくていい、気軽な感じの美味しいフレンチが食べたいなーと最近思い続けていた。
以前中野駅から新井薬師に向かう途中に、「
ニース食堂」というデリに近い軽いフレンチを食べさせる店があったのだが、経営していた会社が他にも同じような形態の店を出しすぎて失敗したのか、ある日突然閉店してしまった。
「ニース食堂」だけは他の系列店に比べていつ行っても混んでたのに。共倒れだとしたら残念なことだ。
今週の金曜日、用事を済ませて帰ろうかという時に、近くに3000円以下のプリフィクスのはしりと言われていた店があるのを思い出した。
昔話題になった「東京いい店やれる店」という本でもNO.1になり(この名誉のためにかえって行けなくなったカップル続出だったとか)、一時期グルメ本の常連だった護国寺「
パマル レストラン」である。
音羽通りから不忍通りに入り目白方面へ向かう途中にあり、店の目の前に駐車できるのが有り難い。
電車だと護国寺から10分ほど歩く感じだろうか。
金曜日だというのに、予約なしで入れた。
テーブルは7席ほどで、パリの裏通りにあるこじんまりしたビストロみたいである。(パリは行ったことがないので、あくまでもイメージ)店内をそれとなく眺めまわすと、かなりくたびれてる印象・・。
パマルはもうおわったとか、接客に対しての悪評などもネットで目にしていたので、「大丈夫かな〜〜〜」とちょっと不安になる。
通常プリフィクスというと、前菜、メイン、デザート(コーヒーまでつくとこもあるのかな)という構成だが、こちらはデザート、コーヒーは、別料金。
2皿で2450円ということになり、前菜、メインは7〜8種類のなかから選べる。
ただ、デザートは500円からあるので食べたい人はつければいいし、料理とお酒が中心でデザートはいらない人にとっては、なかなかいい設定かも。
<前菜> *フォアグラのソテーレンズ豆添え(+600円) *海老とアボガドのサラダ ガスパッチョソース
<メイン> *牛ロースステーキ *牛ホホ肉の赤ワイン煮
<デザート> *ティラミスフォアグラは、厚みがあり表面はカリっと中はふわっとしていて、濃厚美味。
こういうレバー系が苦手な私でもいけたのは、特有の臭みが全然なかったため。
サラダはアボガドの上に茹で海老、レタスがのっているだけのシンプルさ。タバスコをきかせたトマトベースのガスパッチョソースと、最後に鼻をぬけるにんにくの香りがすごく合う。
どこににんにくが?と思ったら、茹で海老に下味がついていた!これはなかなか素晴らしい。
ステーキもほどよく柔らかく、あっさりとしたソースなので重くない。
牛ホホ肉は、単に柔らかいというよりナイフを入れるとふわふわっとするくらいまで煮込んでいて、赤ワインソースもちゃんとルビー色が残っていて風味がありいい感じ。
マッシュポテトも高級店で出てくるようななめらかさに仕上げている。何故か、温泉卵が(ポーチドエッグか)付け合せとしてのっており、ホホ肉につけて食べてみたがイマイチ。
でも卵だけをソースにつけて食べたら、すごい美味しい〜。
そういえば、フレンチにはポーチドエッグを赤ワインソースで食べる料理っていうのがあったような??焼き鳥のつくねみたいに、肉につけて食べるのかと思ったんで(笑)。
ティラミスは、チーズのもつ塩からさが最後にちょっとだけ舌に感じられて、質のいいマスカルポーネを使っていると思われる。GOOD♪
全体的に味が濃くないのも大変気に入った。フランスパンも温めてサーブしてくれるし、もちろんおかわりもくれる。グラスワインを頼んだら、9分目まで注いでくれて「わーーい、NYみたい」と大喜びする単純な私には、サービス面もよく感じられた。
特にニコニコしているわけじゃないけど、普通に気持ちのいいサービスならそれで十分。
よくない噂など、どこへやら。
私はこの値段とボリューム、美味しさからいってもいい店だと思う。
厨房を覗くと、そんなに年のいってないお兄さんが一人で切り盛りしていた。店は、最終的には料理人個人のセンスによるところが大きいと思う。同じ材料、同じレシピであっても、微妙に違うものが出来上がるのが料理の奥深いところ。
現在のパマルは、きっといい時に戻ったのではないだろうか。
今回はいきなり行ったので、カメラを持ってなかったのが残念。
つぎはカメラ持参でまた行きたいと思う。
どこかで四谷にある「パザパ」と同じ経営らしいと聞いたが、、私はパマルの味ほうが好きだなあ。
『PAS MAL RESTAURANT(パマル レストラン)』東京都文京区目白台2-13-3 ラ・バラックビル1F
03-3945-9908